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  1. 【コラム】50代からの「不動産」と「お金」
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相続手続きを勘違いしていた実例

相続手続きを勘違いしていた実例

相続の当事者として関わることは人生でほんの数回でしょう。

だからこそ良くわからずに放置していたという事例があります。

「知らんかったから勘弁して!」

とはできないので、知らない事こそ専門家に相談することをおススメします。


相続税の申告をしていなかった例


先日、Aさんと何気ない会話の中でこんな質問が出てきました。


「一昨年亡くなった父親の相続税の請求がまだ税務署からこないけど、うちは不要なのかな?」


たしかに当時、お父様が亡くなられたと聞いた記憶があります。

Aさんのご実家は農業をされていて、周囲が畑しかないような田舎に土地をたくさん所有されていると聞いていました。


その後もお会いするたびに兄弟間で「遺産分割協議書」を作っているとか、

自分は一部の畑を相続したけど、農業はやらないから、近所の人に貸して、畑をやってもらうかどうか検討中


など、断片的な情報からも相続手続きが進んでいる印象を持っていました。


そして、冒頭のお話です。


僕は思わず


「えっ?相続税の申告はしました?もし、課税されない程度の財産ならいいですけど・・・」


と聞いてしまいました。


逆にAさんからは、「えっ?税務署が勝手に計算して、請求してくるのではないのですか?」


と驚かれました。


Aさんは、相続税の申告はしていませんでした。

しかし、幸いにもその後の確認で相続財産の総額から基礎控除等を含めて計算すると相続税は課税されないことが確認できました。

もしこれが課税されるのに申告をしていないと、既に納税期限は過ぎていますので、本来納めるべき相続税の他に延滞税なども課税され、余計な税負担が生じるところでした。

土地の相続登記をしていなかった例


以前、マイホーム購入のご相談を受けたBさんは相続登記がされていませんでした。


Bさんはお父さんが所有される土地にマイホームを建築したいとのことでご相談に来られました。


ご相談の流れで、建築予定地の資料を拝見し、土地の登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)で所有者の情報を見た時に違和感を持ちました。


所有者の欄には現在、誰が所有者でその所有者が所有権を取得した原因(売買なのか相続なのか等)が記載されています。

Bさんの持ってきたそれに記載された所有者は男性の名前で、昭和20年代に相続で取得したことになっています。


Bさんは30代。

そのお父さんだとすると現在60代頃と推測。

昭和20年代は、お父さんがまだ幼い頃か生まれる前に相続した年代に感じました。


そこでBさんに「この所有者欄の〇〇さんがお父さんですか?」と確認するとそれは自分の祖父の名前だと言います。

でもBさんは、この土地はお父さんのものだとも言います。


Bさんに更に尋ねます。


「この祖父の〇〇さんは今もご健在ですか?」


するとBさんからは


「いえ、自分が中学生の頃に亡くなっています」


との回答があります。


つまり、祖父が亡くなり、お父さんが相続したであろうこの土地の登記手続きがされていないようでした。


Bさんからは「実は最初にこれを見た時になぜ祖父が所有者になっているのだろう?と不思議だったのです。父は『ここは自分の土地で毎年、固定資産税もきちんと支払っている』と言っていたのですが・・」


私からは


「相続登記がされていないと思われるので、お父様に相続登記をした記憶があるかご確認いただいた方がよいですね」


とお伝えし、Bさんはその場からお父様へ電話で確認してくれました。


すると「市役所に死亡届を出して、固定資産税の通知は毎年、自分宛に来ているからやっているはずだ」とのお返事でした。


お電話を替わってもらい、


「法務局に名義変更の登記申請をした記憶がありますか?」


と尋ねてみると


「法務局なんて行ったことはない」


との回答でした。また、司法書士に何かをお願いしたこともこれまでにはないとのことでした。


詳しくお話を聞いていくと市役所に死亡届を提出すると自動的に名義変更されると思っていたとのことです。

実際、固定資産税の通知は宛名が変更されて届いていたので、疑問にも思わなかったそうです。


同じ土地に関する手続きでも市役所と法務局は別物


固定資産税は市役所の管轄なので、死亡届を提出したことで、恐らく市役所からは今後は誰が所有者になるのかという「現所有者申告書」のような書類の提出を求められ、対応したことで、お父さん宛に納税通知書が届くようになったと思われます。


そしてお父さんは、このやり取りがあったことで所有者の登記名義も変更されたと勘違いされた可能性があります。


残念ながら、市役所は市税である固定資産税を納税してもらうために確認しただけで、法務局にその情報が連携されることはありません。


一般市民からするとそこは連携して欲しいと思うところですが、登記は不動産登記法に基づくものなので、固定資産税とはそもそも別物です。


相続登記をしないと面倒なことに


Bさんの場合、これから住宅ローンを借りて、その土地にマイホームを建築したいと考えています。
そして、銀行との契約の際には、土地所有者にも署名と実印を押印する書類があります。
そして、当然ながら本人確認もされます。

今回の場合、土地の登記上の所有者であるBさんの祖父が銀行の書類に署名をしなければいけませんが、既に亡くなっているので当然、出来ません。

銀行からもその場合、相続登記をやって、正しい所有者に変更してください。それが終わるまで契約はできませんと手続きが保留されます。

相続登記の申請には、相続人全員の署名、実印の押印が必要です。Bさんの場合、お父さんとその兄弟であるおじさんがまだ健在でしたから、相続登記はスムーズに申請できました。

もし、祖父の死後、おじさんも既に亡くなってしまっているとおじさんの相続人を巻き込んでの手続きとなり、当事者が増えていきます。すると中には手続きを拒む、もしくは、手続きに協力する代わりに金銭を要求してくるなんてケースもあります。


相続時に必要な手続きは多岐にわたる


相続時に必要な手続きは実は沢山ありますが、主だったものをまとめてみました。

()は手続きをする場所です。



  • 死亡届(市役所)
  • 火葬埋葬許可証の入手(市役所)・・・葬儀社が代行してくれているケースが多い
  • 年金の受給停止(年金事務所)
  • 健康保険の資格喪失届(市役所や健康保険組合)
  • 銀行への死亡届提出(口座を所有する銀行)
  • 各種クレジットカードや会員等の解約(各企業・団体)
  • 水道、ガス、電気の名義変更(各企業)
  • 準確定申告(税務署)・・・専門家に依頼するなら税理士
  • 相続税申告(税務署)・・・専門家に依頼するなら税理士
  • 相続登記(法務局)・・・専門家に依頼するなら司法書士


相続税については、財産額によっては申告が不要となります。

相続登記は義務化されたため、3年以内に登記完了する必要があります。



後々に面倒なことを残さないために


相続登記は顕著の例ですが、必要な手続きを漏らすと後々、他の相続人にも協力をお願いしなければ手続きができないというケースも出てきます。
慌てる必要はありませんので、ひとつひとつ確認しながら、相続手続きを進めていきましょう。

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