前編は下になります。
破損・汚損を基本的にお勧めしていますということを前編で書きました。
後編ではその理由を書きたいと思います。
火災保険は自動車保険と同じ損害保険です。
業界的な表現で言うと「モノ保険」と言われるものになります。
でも自動車保険と決定的に違うのが「保険金を貰っても、保険料は上がらない」という点にあります。
自動車保険でこんな経験はありませんか?
マイカーの車庫入れでうっかりブロックに擦ってしまい、車体に傷が付いた。
自動車保険を使って直そうと思い、保険会社に連絡をしたら、保険を使うと来年から等級が下がり、さらにペナルティー(事故あり係数)
も課されて保険料が高くなると案内された。
保険を使うかどうか迷ったけれど結局保険は使わずに自腹で直した。
自動車保険ってもちろん万一の事故の時の対応やマイカーの修理に備えるものですが、保険を使うと翌年から保険料が上がってしまうという仕組みから保険を使うかどうかを
躊躇する瞬間があります。
もちろん使うかどうかは自由なのですが、なんだかモヤモヤが残ります。
一方で火災保険にはそういった制度はないので、万一の事故や災害の際には躊躇なく使えるというメリットもあります。
「破損、汚損」は火災保険をフレキシブルに使うのに重要な要素
「破損・汚損」を付けたい場合、前編で書いたように「フル補償」タイプのプランを選ばざるえなくなると書きました。
でもこれを付けておくと保険を使える場面がぐっと増えます。特に一戸建てには僕は必須だと思うほどです。
最近の火災保険は損害を受けた際に被害箇所を元通りにするための費用を補償します。
そのむかしは建物の時価評価という考え方があり、修理費用を全額補償されないケースも少なくありませんでした。
前編でも書きましたが、風災だと思って申請したけれど、要件が完全には満たせずに風災とは認定されなかったというケースの時も「壊れている」という事実に
基づき保険金が支払われたりします。
この「破損、汚損」は要件を満たせないけど、被害を受けているのは事実だという時に保険金を支払うために設定されているのではないかと思うほど頼もしい補償だと思います。
しかも保険金を貰っても保険料が上がる仕組みではないというのはとてもうれしい要素だと思います。
そうはいっても家具買ったり、引越し費用も掛かるし、今はこれ以上お金を掛けられないという人もいることでしょう。
そんな時は支払い方法で調整してみてはいかがでしょうか?
10年一括で保険料を払うと数十万円になりますが、年払いや毎月払いという方法で支払うことも可能です。
または最初は1年や2年という短い期間で予算が許す範囲で一括払いをして、更新の際に長期で加入するというのもありです。
住宅ローンを借りていれば、融資条件で火災保険は必須になります。
住宅ローンを借りていない場合も万一の時に備えに火災保険に入ることになると思います。
入ったから安心ではなく、上手に火災保険を活用しながらマイホームを維持していって欲しいと思います。