結婚前に不安になることを「マリッジブルー」と言います。
同じようにマイホーム購入前後に不安になることは「マイホームブルー」と言うようです。
世間一般的には、結婚と同様にマイホームの購入は喜ばしいこととされます。
でも「ブルー」になってしまっては、せっかくのマイホームにも喜びが感じられなくなると思います。
今回はそんな「マイホームブルー」について触れたいと思います。
マイホームブルーとは、新しいマイホームの引渡しを前にして、不安になり、イライラしたり、気持ちが落ち込んでしまい、精神的に不安定になることです。
そんな状態が長期にわたると自律神経が乱れて体調を崩しやすくなります。
環境の変化を前にして感じるストレスが主な原因となるのだと思います。
また、マイホーム計画を進める過程でご夫婦の価値観の違いが浮き彫りになることは、これまでの経験上でも決して珍しい話ではありません。
価値観の相違もストレスの一因になります。
でも「結婚する前は、価値観がピッタリだと思っていたのに・・・」と悲観する必要はありません。
大切なのはお互いに感じた違和感を共有することです。
内容によっては、相手から言われた違和感をすぐには受け入れることができないかもしれません。
「今頃になってそんなこと言われても・・」
なんて感じることもあるかもしれません。
マイホーム計画は人生最大の買い物と表現されるように簡単に進められないものかもしれません。
ご夫婦の価値観の違いが浮き彫りになったのなら、むしろ、そのことにしっかりと向きあう良い機会だと考えると良いです。
「そうは言っても、契約を目前にして、今更、計画の見直しなんてできないし・・」
「引渡しを前にして、もう今更、何もできないし・・・」
となることもあるでしょう。
計画の変更は無理だとしても何に不安を感じているのか?はどんなタイミングだったとしても向き合うことをお勧めします。
それを蔑ろにすることで、家族仲が悪くなってしまうケースもあり、最悪の場合、離婚やうつ病を発症することも否定できません。
マイホームブルーと言われる症状には次のようなことが考えられます。
私は心理学の専門家ではありませんが、認知行動療法の手法のひとつに「7つのコラム」というものがあり、不安な気持ちを軽くする一助となるのでご紹介します。
7つのコラムとは、「友人に悩みを話してすっきりした」シチュエーションの際に起きている会話の流れと同じものとのことです。
下記の表の流れでご自身の不安を客観化して思考を再構築するものです。
まずポイントは書き出してみることです。頭で考えているだけでは、堂々巡りをするだけで思考が前に進みません。
①状況 (何に不安を感じたか?) | 感情が動かされた(不安を感じた、自信を失った)時の状況 |
②気分 (その時の気分は?) | その時に湧き上がってきた感情を素直に%で表現(不安最高潮100%、不安全くなし0%として表現) |
③自動思考 (その時に頭に浮かんだこと)
| その時に頭に浮かんだ考えやイメージを記入 |
④根拠 (なぜそう考えたか?) | 自動思考を裏付ける具体的な事実を記入 |
⑤反証 (自動思考とは異なる事実は?) | 自動思考とは異なる具体的な事実を記入 |
⑥適応的思考 (自動思考とは違う考え方は?) | ④と⑤を踏まえて、③の自動思考に代わる適応的な思考を記入 |
⑦気分の変化、課題 | ①~⑥をやってみて、今の気分と次に自分が出来そうなことを記入 |
こころが軽くなる認知療法活用サイトより抜粋
マイホームブルーの原因として考えられるのは、こんなことが想定されます。
- 住宅ローン返済の不安
- 環境の変化
- 理想と現実のギャップ
まずは不安に感じていることが何か?起きている事実と自分の中に感じたことを区別して認識することが大切です。
マイホームブルーはその後の人生や生活に大きな影響を与えかねない
マイホームブルーの原因は、マイホーム計画です。しかし、きっかけであり、不安の本質はその先の新しい生活への不安であることが多いのではないでしょうか?
だからこそ、ご夫婦のいずれかにマイホームブルーの兆候が表れた時には、それを無視せず、向き合っていくことが幸せなマイホーム計画を実現するために必要なことかもしれません。
明確に「マイホームブルー」だったと認識していたわけではありませんが、これまでに関わってきた方の中には、もしかしたらそうだったのかもしれないと思い当たるケースがあります。
大きな買い物だからこそ不安は付きものですが、その不安が大きい場合、どうぞご自身だけで抱え込まず、ご夫婦で共有してほしいですし、ご夫婦でも抱え切れない場合、相談相手として役に立ちそうでしたら、お声がけください。(住宅ローンなどのお金の相談がメインでなくても対応可能です)