マイホームを買おうかなと考え始めるきっかけは人それぞれです。
相談者を見ていても、婚約中や新婚でマイホームを考える20歳代もいれば、子供の小学校入学までには住む場所を定めたいと考える30歳代もいます。
そしてそろそろラストチャンスだと考えている40歳代のご家族もいらっしゃいます。
また老後の住まいという観点から考える50歳代以降の方もいます。
この中でも今回は40歳代の方をイメージしてマイホーム購入を考える時に考えておきたいことを取り上げたいと思います。
40歳代だからこそ確認したいマイホーム購入5大ポイント
勤務先の退職金制度、再雇用制度、年金制度を把握する
子供の今後の教育費の目安を具体的に把握する
今後の収入の目安をシビアに計算する
家計の現状を目をそらさずに把握する
1.勤務先の退職金制度、再雇用制度、年金制度を把握する
ご相談の中で勤務先の退職金制度や再雇用制度、年金制度について詳しくはご存じない方が少なくありません。
これが20歳代なら住宅ローンの返済が退職時までに終わるか数年残る程度で済むので退職金の有無はそんなにシビアにならなくても良いでしょう。
でも40歳なら現役で働ける期間を60歳までと考えるなら20年程度、65歳までと考えるなら25年です。
営業マンはその選択しかないかと思うくらい住宅ローンの返済期間を35年で試算します。
そして35年返済前提で借りられる金額を目安に話が進んでいくことがよくあります。
その方が沢山借りられますからね。
この場合、40歳代の人はそもそも35年返済が妥当かも冷静に考えなければいけません。
「35年返済でも繰上げ返済しながら現役の間に完済すればいいですよね?」
と言われることもあります。
相談者から不動産会社の営業マンが試算したという繰上げ返済プランを見せてもらったことがあります。
住宅ローン控除で戻ってくる分はすべて繰上げ返済に充当し、それとは別に毎年〇〇万円貯金して、
〇年後に繰上げ返済などと20年程度で完済できるプランを作ってありました。
確かに子供の教育費やその他の支出が今と全く変わらない前提で考えるなら計算上は成り立つものでした。
でも実際には生活費も子供の成長とともに変化します。
教育費だって進学すれば金額も変化します。
さらには車を買い替えるかもしれません。
そこまで細かくシミュレーションしていくとその繰上げ返済プランは少し無理がある内容でした。
40歳からマイホームを考える場合にチェックすべき重要なポイントは定年退職時の住宅ローンの残高です!
退職までに返済が終わらない予定の計画なら、いくらくらい残っていて、それがその先返済が可能な金額なのか?
返済できるとしても老後の生活費に困る状態も困ります。
そうなると退職金がいくら位もらえるのか、年金はいくら位もらえるのか?その他に福利厚生制度で退職後に活用できるものはないのか?そんなことをチェックする必要があります。
2.今後の子供の教育費の目安を把握しておく
お子さんが既に高校生になっていれば将来の進路の希望や適性も見えてくるかもしれません。
もし大学進学を希望されているならば、私立なのか国公立なのか、文系なのか理系なのかで教育費のかかり方は変わってきます。
更に自宅から通える範囲なのか、部屋を借りなければいけないのか?といった点も支出額を把握する上では重要な項目になります。
もし親の貯蓄や収入ですべてを賄えない場合、進路を変えるのか?奨学金を活用するのか?
教育ローンを活用するのか家計の状況を見極める必要があります。
今の家計の状況では余裕で払っていける住宅ローンも冷静に将来を見定めたら、余裕ではなくなるかもしれません。
文部科学省の統計(平成26年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査結果について)によると
国立大学で4年間 約243万円
私立文系で4年間 約386万円
私立理系で4年間 約522万円
となっています。これにプラスして部屋を借りるなら家賃や生活費もかかります。
授業料以外にもサークル活動やゼミ活動など他の支出も発生することを考えるとお子さんひとりあたり4年間で必要となる金額はもっと増えることになります。
40歳からマイホームを持つ方に限った話ではありませんが、お子さんの教育費が今は用意できていなくても、用意できる目途を付けておくことは重要です。
お子さんが既に高校生になっているならば、教育費のピークももうすぐです。
3.今後の収入の目安をシビアに計算する
40歳を超えてからのマイホーム購入の場合、現役で働ける期間が20年から25年です。
現状は会社の中でもバリバリの戦力として責任も負って、収入もそれなりになっているかもしれません。
お勤め先の給与形態では今後、いつ頃まで収入があがりそうでしょうか?役職定年はありますか?
奥さんがもしパートをされているなら現実的に何歳までパートを続けられますか?
今の収入が得られているのがいつ頃までなのか考えてみること、すなわちライフプランや将来の家計の状況を予測してみる必要があります。
ご相談に来られた方の中には住宅ローンを借りた後に定年退職後の再雇用の条件が変わり、目論んでいた収入は得られなくなり、
老後の不安が一気に膨らんだという方もいます。
不透明な時代、楽観的に予測すると目論見が外れるということもあります。
是非、収入はシビアに検証してみましょう。
4.家計の現状を把握する
これは年代に関係なく住宅ローンを借りるなら是非、把握してほしい点です。
現状の家計の実態を把握することでもし無駄があぶりだされるなら、良い機会ですので改善しましょう。
改めて家計の実態を見つめてみると「それほど余裕はないなぁ」と感じるかもしれません。
でも「余裕がないからマイホームはあきらめよう」ではないのです。
実態を把握したうえでマイホームにかけられる予算をしっかりと把握しておいてほしいのです。
やはり良い物を見れば欲しくなります(笑)
一生に一度の買い物だと思えば、妥協はしたいくないと思うかもしれません。
無尽蔵に予算が増やせる方はいません。必ず予算という制限の中で考えなければいけません。
「夢を広げる」一方で冷静に予算を意識して最大限有効に予算配分が出来るようにしたいものです。
5.マイホーム購入のタイミングは今だけではないことを知っておく
マイホーム購入を考える動機の一つに「子供が大きくなり、部屋が手狭になった」というものがあります。
子供は伸び伸びと成長して欲しい、そのためにもマイホームを購入して・・・と考えたどうかは分かりませんが、
子育てのしやすさを考慮してマイホームを検討するという方は少なくありません。
自ずと部屋の広さに違いはあれど、子供部屋が必要になります。
でもちょっと考えてみてください。
子供がその新しい家で過ごす年数はあと何年でしょう?
子供が今、5歳だとしたら、仮に大学を卒業して就職するのが23歳だとすると18年間です。
今、子供がもっと大きければ数年しか過ごさないかもしれません。
子供が独立して、夫婦だけで過ごす期間の長い家に使わなくなった子供部屋が放置されているケースは少なくありません。
使わないスペースに住宅ローンを支払い続けることになります。
もちろん子育てのためにマイホームを購入することも購入のひとつのタイミングです。
もうひとつの購入のタイミングは子育てが終わってから、夫婦だけで過ごす小さな(?)家を購入する時もマイホーム購入のタイミングです。
もちろん年齢的に住宅ローンを高額借入をして購入というわけにはいきませんが、その分、それまでに自己資金を貯めていくことができるならば、
家族構成が大きく変化することの少ない子育て終了後も良いタイミングです。
まとめ
40歳代からのマイホーム購入は20歳代、30歳代よりもシビアに現状の家計の状況と将来設計をする必要があります。
そしてマイホーム購入の時期をあえて遅らせるという選択も40歳代には可能です。
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