稀にですが、アパートローンの借換えのご相談を受けることがあります。
もちろん対応可能です(笑)
数年前の事例にはなりますが、こんな事例がありました。
以前に住宅ローンの借換えをお手伝いしたお客様から今度は保有するアパートローンの借換えのご相談を受けていました。
海外出張も多いご主人です。一度、海外に行ってしまうと最低でも一ヶ月は戻ってこないので、なかなか銀行にも行けないけれど、
時間を見つけてご自身でも銀行をいくつかアプローチしていました。
物件は築40年超の古い木造2階建てのアパートですが、購入した時には20人の購入希望者が殺到したそうです。
都内の地下鉄駅から徒歩圏の日当たりも良い物件です。
空室になってもすぐに入居者が決まり、保有する物件のなかでも収益率も良く優等生の物件です。
しかし、アパートローンの借換えとなるとネックがありました。
築年数が古すぎて借換えに応じてくれる銀行が見つからないのです。
法定耐用年数という壁
銀行は原則、建物の法定耐用年数を目安に借入期間を設定します。
法定耐用年数とは税法で定められた減価償却資産の使用可能見積期間のことです。
まぁ簡単にいうと減価償却をするのにみんなが好き勝手に償却期間を設定していると混乱するから法律で定めましたというものです。
なので別にその期間を過ぎているから使用してはいけないというものではありません。
でもアパートローンの場合、この法定耐用年数が重要になってきます。
新築ならともかく中古物件の場合、あとどれくらい使えるのか?を客観的に判断するのはそれこそ建築の専門知識が必要になってくるでしょう。
なかなか融資の審査のなかでそこまで判断するのも難しいということで法定耐用年数を目安にするのも致し方ないのかもしれません。
ただ、法定耐用年数以内しか貸せないというと所ばかりではないのですが、今回はあまりに古すぎてということがネックでした。
築40年の法定耐用年数をとっくに過ぎた今回の木造アパートの場合
今回は購入時点で既に法定耐用年数は過ぎていました。
しかし購入当時、融資してくれたS銀行は耐用年数が過ぎているからダメという紋切型ではない対応してくれたから融資が実現しています。
でもS銀行、柔軟な対応はできますが、金利は高めです。
これは不動産業界にいる人にとっては当たり前のようなお話です。
昨今の低金利時代にこのお客様も他の保有物件の融資は無事に借換えが出来たのにこの物件だけが、
どこも対応してもらえないという事態に陥っていました。
もちろん返済が苦しいわけでもないし、今回は物件購入のために融資を探している訳ではありません。
借換えが出来ないからといって、差しあたって困るわけではありません。
他と比べて高いなと感じる金利での返済が続くだけです。
実はお客様も半ばあきらめモードでした。
総当たり作戦を決行
お客様は会社員の大家さんなので不動産所得以外にも給与所得もあります。しかも結構、高給取りです。
他の保有物件も一棟ものを中心に数十世帯の物件を所有されています。
実は不動産所得だけでも生活できるレベルです。
保有物件もほぼ満室でキャッシュフローも問題なく、融資でネックになるのは「法定耐用年数」だけという状態です。
でも、「他は問題ないのですが、法定耐用年数が・・・」と断られる銀行がほとんどでした。
いくつか「他には問題がないので、審査担当と耐用年数の部分だけなんとかならないか掛け合ってみます」という銀行もありましたが、
結局は全て耐用年数を理由に断られます。
他に問題がないのにとても残念なことです。
こうなったら都内を中心に片っ端から問い合わせをしてやろうと電話をしまくりました。
お客様が全く縁もない地方銀行の東京支店にも電話しました。
小さな信用金庫や信用組合にも掛けました。
そして探し当てたある金融機関。
本来のあるべき姿をまざまざと見せつけられたある金融機関
「耐用年数は特に気にしません。お客様の状況を踏まえて審査します。ただ予め決まった条件に当てはまるかどうかで判断する訳ではないので、少し時間はかかりますが検討させてください」とのお言葉が。
早速、たくさんある資料を持ち込んでの打ち合わせ。
まだ正式な審査ではありませんが、取り扱いの可能性を探ってもらいます。
そして待つこと1か月。ついに来ました電話が!
「取扱可能です。事前審査のような形で本部とも話ができています」
事前審査が通ったような形でのお返事を頂いて、ついに借換え可能な金融機関を見つけ出せました。
お客様と店頭に出向き、正式な審査の申込をします。
でもまぁ既に審査は終わっているようなものなので、「数日中に回答します」ということで、数日後に無事に正式な承認と相成りました。
この借換えを実現してくれた金融機関の担当者がこんなことを言っていました。
「我々は融資を実現することが役割なのだから、お客様の実態をよくヒアリングして、お役に立てる方法がないか色々と策を考えなさい」
と本部からも言われていると。
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