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「賃貸」か「持ち家」か? 住み替えを繰り替えす男性の事例から考える

2024/09/14
持ち家か賃貸か

あなたは「賃貸派」?「持ち家派」?



たびたび話題に上がる「賃貸」か「持ち家」かの議論。
今これを読んでいただいているあなたはどちら派ですか?

マイホームが気になり始めたら、一度はぶち当たるこの話題について考えてみました。

ふと耳に入った持ち家派の男性の会話


先日、とあるお店で隣の席に座っていた方の会話が耳に入ってきました。

その方、みたところ40歳前後かなとお見受けする男性です。

会話から「持ち家派」のようです。しかも、これまでに買っては売ってを繰り返し、現在、4回目の住み替え手続き中のこと。

先日、新築の建売住宅を契約し、これから引越し予定の様子。
現在のお住まい(持ち家)は新居への引越しが済んでから売却する予定とのこと。

現在のお住まいは住宅ローン返済中。
新しく購入した建売住宅の購入も夫婦の収入合算でほぼフルローン(自己資金なし)で購入。
そして、ここにもこだわりがあるようで、家を買うのに絶対に自己資金は出したくないとのこと。
現在は一時的に2軒分の住宅ローンを抱えていることになり、総額は1億円を超えているそう。

引越しをして、現在の住まいを売却して、売った資金で元の住宅ローンは完済する予定とのこと。

ちなみに住み替えの場合、売却予定の家の住宅ローンと新しく購入する住宅ローンの2軒分を一時的に抱えることをOKとする金融機関はあります。
もちろん売却した家の売却資金で元の住宅ローンが完済できることが前提です。

でも、そもそも一時的でも1億円を超える金額を借りられるのは、ご夫婦ともに相応の収入をお持ちなのだろうと推察されます。

そして、その話を聞いていた相手の方から素朴な疑問が

「そんなに何度も住み替えして何がしたいの?」

とてもシンプルながら核心をついた質問でした(笑)

住み替えを繰り返す男性の考え方


そのシンプルな質問にどんな回答をするのだろう?
とついつい聞き耳を立ててしまいました。

そしてその答えはこうでした。

「家賃がもったいないから。引っ越したくなったら、売って、別の物件に住み替えてる」

これを聞いた僕は「この人、達人だな」と思ってしまいました。

なぜなら、理論上、理にかなっているけれど、実際にやることは難しいのではと思うことを、いとも簡単にやってのけているように感じたからです。

つまり・・・

家賃や住宅ローンの返済額ってたしかに家計の中で占める割合は高いです。
自分の物にもならない賃貸住宅に高額な家賃を支払うのはもったいないという感覚は理解できます。

しかし、この男性の場合、既に4回目の住み替え。
年齢から考えても数年単位で住み替えを繰り返していると思われます。
住み替えを繰り替えしても、毎回、売却資金で住宅ローンの完済ができているのでしょう。

住宅ローン返済の最初の頃は、ほぼ元本は減っていかないことを考えるとこの男性は住宅ローンの残高があまり減っていない段階で
購入時の金額と同額程度の金額で売却できている、もしくは購入金額よりも高く売却しているケースもあるかもしれません。

もしも、そうだとすると住んでいる間は毎月の住宅ローンの返済は当然しているわけですから、売却時にそれまでに支払った元本分も回収して、
これから支払っていかなければいけなかった元本も確保して、実質、利息の負担と固定資産税の負担分くらいで新築の家に住んでいた計算になります。
もし購入金額よりも高額に売却できていたならば、利息分、固定資産税分すら回収して、実質無料で住んでいたということにもなります。

もう少し分かりやすい例えをするなら、

買った株が下落していない、もしくは高騰したタイミングで売買する株式投資に近いことをマイホームでやっています。

住み替えを損せずに繰り返せる条件


住み替えを繰り返せる条件を僕なりにまとめてみました。

  • 購入時から出口(売却時)を意識したエリア選び、物件選びをする。
  • 自分の住宅ローン返済能力を見極める
  • 金融資産を持っている

それぞれ少しだけ詳しく触れてみます。

  • 購入時から出口(売却時)を意識したエリア選び、物件選びをする
要は売れる、資産価値の高い物件を探すということです。
なので、エリア選定はとても重要な要素になると思います。
もちろんマイホームとして購入するので、通勤や通学などの日常生活を踏まえた要素も無視はできませんが、
個人の嗜好は優先度としては下げなければいけないケースもあるでしょう。
例えば、自然豊かな環境が良いからと駅から遠いエリアを買うという選択肢は、売りやすい、資産価値が高いという観点からは、考えられないかもしれません。

  • 自分の住宅ローン返済能力を見極める
住み替えの場合、先に売却を決めてから、新しい物件を探すということも可能です。ところが、そうすると一時的でも賃貸住宅に住み、家賃を支払わなければいけません。
それを避けるには、前述の男性のように一時的に二軒分のローンを抱える必要があります。
この二軒分の住宅ローンを抱えるにも、当然、金融機関の審査が必要です。

資産価値の高い物件だからという理由だけでは、必ずしもOKとはなりません。
一時的でも二重払いができる返済能力があるか?という観点でも審査されます。
既に自分達の返済能力の上限まで借りている場合、OKとならない可能性もあります。
資産価値の高い物件を選ぶと同時に無理し過ぎない資金計画で購入できる物件選びという観点も必要になってきます。

  • 金融資産を持っている

どんなに資産価値の高い物件を購入するにしても、住宅ローン審査では、個人の返済能力が問われます。
物件の担保評価に重きを置いて融資してくれるのは不動産担保ローンという別の商品です。金利も住宅ローンよりも高くなります。

住宅ローンで、個人の返済能力を審査するには、勤務先や年収という情報も重要ですが、審査時点でどの程度の金融資産を持っているか?ということも見られています。
審査を出した銀行に口座を持っているなら、その銀行に預けている金融資産は筒抜けですが、他の金融機関で運用しているものは、審査申込書に記載する欄があります。
僕の経験では、審査の過程でそれらの残高証明書を出してほしいと言われたケースもあるので、当然ながら嘘は書けません。

住宅ローンの審査では、これらの金融資産残高がまず年齢相応にあるのか?とチェックしています。
何故ならそれまでの家計管理の結果がそこに現れるからです。
シンプルに言うなら「お金が貯められる人」なのか「浪費癖がある人」なのか?ということをチェックしています。
もちろん「貯金」である必要は必ずしもなく、株式や投資信託でも良いのですが、計画的に家計管理できる人だよね?ということが知りたいのです。

恐らく、お店の男性はこららの条件はクリアしていたのだろうと思います。
そして、どんなお仕事をしているかは分かりませんが、「投資感覚」を持って、マイホーム探しをしている方なのだろうと思います。

「持ち家派」は三種類いる(持論)


これも僕の持論です。

これまで住宅業界に30年近く関わってきて、感じるのは「持ち家派」には、次の三種類いるということです。

  1. 自分の理想の住まい方や空間などを大事にしたい派
  2. 家賃がもったいない派
  3. 衣食住の「住」は保有していないと心配派
これらは、いずれかが強く当てはまる人と複数が絡み合う人がいます。(あくまでも持論です)

1の「理想の住まい方を大事にしたい派」の方は、注文建築を選びたいと考えている方に多いと感じます。
注文建築を考えている方は「家」そのものにとても価値を感じ、その空間や生活スタイルに重きを置くので、資産価値の優先度は決して高くはありません。
この方の中にもそのこだわりの強さで「建築家と家を作りたい」など、その想いの実現により重きを置くケースもあります。

2の「家賃がもったいない派」の方は、あまり「家」にこだわりはなく、利便性などを重視し、建売住宅やマンションなどを比較的さくっと選んで決める傾向があります。

3「保有していないと心配派」の方は、ご相談を受けていても「そろそろ買わないとヤバイですよね?」「住宅ローン借りられなくなりますよね?」といった感じで、人生のどこかでは「家」を買わないといけないと考えている傾向があります。
「買わないといけない!」と考えている理由を聞くと、「老後に住む場所がなくなる」という将来の住まいの確保の視点と「家賃がもったいない」という2と絡み合うケースがあります。

それぞれは、更に細かく分類されていくかもしれません。
例えば、お店の男性の場合、2の「家賃がもったいない派」ですが、さらに「マイホームにも投資思考」を持ち込み、
住まいにお金を支払うこと自体が無駄という想いが強い方かなと勝手に感じています(笑)

「マイホームを購入することは狂気の沙汰」か?


あの実業家のホリエモンこと堀江貴文さんは「何千万も借金してマイホームを購入するなんて狂気の沙汰」だと言っています。
その理由を要約すると次のようなことです。

  • 少子高齢化の日本で家は余っていく。
  • 自身が家を持たない生活にしたら、ライフスタイルが最適化された
  • 使わない家は傷んでいく。
  • いずれ家を傷めないために家賃ただでいいから住んで、ハウスキーパーをやってほしいという時代になる。
  • いずれ家賃がタダの時代がくるのに家のために借金するなんて狂気の沙汰

家が余ることは、以前から言われていることです。
実際に増える空き家が社会問題化していることもあり、これらの空き家がどうなっていくのか?これから住環境は大きく変化していくかもしれません。
現実に空き家の売買のサイトには、「無料」の物件が登録されたりします。
現在は無料の物件は地方の物件だったりしますが、いずれ都会の物件にもでてくるかもしれません。

所有者がタダでも「貸す」ケースは、まだ所有し続けたいという何らかの動機があるケースでしょう。
「貸す」というのは、大家の立場では面倒なトラブルに巻き込まれる可能性もあるため、所有し続ける動機がない場合、
格安で売却やタダでもいいから貰ってほしいという物件も出てくるでしょう。

前項に書いたように「家を持つ」ことに対する価値観は人それぞれです。
ホリエモンが予測するような時代も来るかもしれないけれど、皆さん自身は「家」にどんな価値観を持っているのか?

まずはそこを明確にすることが「持ち家派」か「賃貸派」かを選択する第一歩のような気がします。

最後にお店の男性に聞いてみたかったことがあります。

「ライフプランの最終形では、家は持つのですか?賃貸にするのですか?」

ということです。

男性の手法が仮にずっと成功したとしても、人生の最後に買う家は売却して住宅ローンを完済することはできないでしょう。
住宅ローンは現状の商品の多くが完済年齢を80歳としています。
もし80歳を過ぎて長生きする場合でも住宅ローンは、80歳までに完済しなければいけません。
住み替えを繰り返し、運よく新しい家の住宅ローンも借りられたとしても常に住宅ローンは振り出しに戻り続けます。
もし60歳を過ぎて、年金収入がメインとなった時に住宅ローンが振り出しに戻されるのは、なかなか辛いものがあります。

そう考えるとこの男性もどこかで気に入った家に巡りあい、住宅ローンを返済し続けるのか?
賃貸でもいいか!と持ち家を諦める瞬間がくるのか?
もしかしたら、実家を相続で引継ぎ、新しく住宅ローンを借りずに実家に住むことを考えているのかもしれません。

答えは僕の妄想の範囲を超えることはできません(笑)












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